コダマ模型  6000系(8連)

準備編 工作編 塗装編 仕上げ編

昭和58年の京阪本線の1500V昇圧に備えて新造されたのが6000系です。外観がこれまでの京阪タイプから大きく変化し、新しいスタイルが打ち出されました。ローレル賞を受賞した優秀な系統です。

コダマ模型から再発売された6000系(4連+3連)のキットです(床下機器別売)。キットは先頭車を含む基本4両セットとT車3両の中間車セット、及び単品でT車1両も販売されました。なかなか単品のT車が見つかりませんでしたが、2000年末にようやく入手し8連化を実現することができました。

16番の3000系の完成に漕ぎ着けたので、16番工作の第2弾に選んだのが6000系です。 Nゲージの6000系と並行して工作します。準備編では必要とする各種パーツの整理から始めました。また動力はMPギアとLN14モーターを採用することにしました。

発売:1999年7月

6000系製作記

工作編

工作を開始するにあたり、6000系の編成を検討しました。あれこれ悩んだ結果、4次車である「6013-6113-6613-6513-6763-6563-6163-6063」にすることにしました。理由は様々ですが、側面の車側灯の形状を丸形にすることが主な理由です。キットのクーラーキセ形状が2次車以降で変更されているのですが、その部分の再現は断念しました。また今回の足廻りはMPギアを初採用し、2モーターとします。そのためKSモデルから発売されている「京阪6000系用MP床板」を2枚購入しています。

●穴開け作業の開始(2001/1/7)

まずモーターピンバイスを使用して、妻面の穴開け作業から開始しました。左の写真は手すりを取り付ける妻面です。全部で7枚の妻面に穴を開けています。手すりの位置については、「鉄道模型趣味」誌(1983/5:No.429)の京阪6000系特集を参考にしています。一方、右の写真は妻面側に下りる配管取り付け具用の穴開けです。TOYO MODELの京阪8000系用配管図を参考にしました。屋上機器の配管経路は8000系のものと同様にします。屋上配管があるのは6013(Mc1)と6163(M1)だけなので、2枚の妻面に穴開けを施しました。

●穴開け作業・続き(2001/1/8)

続いて前面の穴開けを行いました。前面には、方向板掛とワイパー取り付け用の穴を開けます(写真左)。左右の穴位置のバランスに注意をはらいます。右の写真は乗務員扉手すり用の穴です。扉には左右があり、さらに手すりも左右で異なっています。今回、手すりは乗務員扉側に車体の境目ギリギリに穴を開けています。実車では車体の厚み部分に手すりがあります。

屋上機器用配管の配管取り付け具用の穴を開けました。これも京阪8000系用配管図を参考に1/10mm単位で位置出ししています。パンタが搭載されるのは6013と6163のみですので、2両分の作業になりました。次に車側灯取り付け用の穴を開けます。位置出し後、初めに0.3mmでガイド用の穴を開け、0.5mm→1.0mmと大きさを大きくしていきました。1両に4つの車側灯があり、8両分32個の穴を開けるのは、モーターピンバイスを使用していますが結構大変な作業でした。

基本的な穴あけ作業も終盤です。6013を除く7両の車体屋上に手すり用の穴を開けました。また簡易運転台がある6513の淀屋橋側、6763の出町柳側の妻面にシールドビーム取り付け用の穴(2.6mm)を開けました。

●穴開け作業・続き(2001/1/9,10)

クーラーキセの穴開けを行いました。手すり用に0.3mmの穴を開けています。また下部にはボルト用の穴を0.3mm→0.5mmの順に開けています。クーラーキセは8連分の工作を実施しています。かなり細かな穴開けで、仕事から帰宅後、2日間にわたり工作を行いました。

●ハンダ工作開始(2001/1/13)

ハンダ工作を開始しました。1両あたり6枚の乗客ドア、妻面をとりつけました。3000系は4連で、乗客ドアも1両で4枚と少なかったため、6000系のハンダ工作は結構手応えのあるものでした。写真左は全体写真、写真中は先頭車、写真右はパンタ付きM車の妻面です。

●妻面肩アングルの取り付け(2001/1/18,19,21,23,27,28)

アングル取り付け前に貫通ドアを取り付けています。続いて特徴ある妻面の肩アングルをハンダ付けしました。0.8mm×1.0mmのアングルを使用しています。車体の曲面に沿うように取り付けるのがなかなか難しく、特にコーナー部分では切り込みを入れていますが、それでもふくらんだ部分はやすりで処理しました。その修正に日数を要してしまいました。

●手すりの準備(2001/2/4)

妻面の手すりを0.3mm真鍮線でつくります。妻面手すりはMc車6013を除く7両についています。1両あたり妻面に8個、屋根に2個の計10個の手すりを7両分70個つくりました。治具は3000系工作の時に作ったものを使用しています。なおクーラーキセの手すりは0.25mm線で後日作ります。

●ヒューズ箱台のハンダ付け(2001/2/4)

パンタが搭載される6013と6163にヒューズ箱の台を取り付けました。真鍮チャンネル(1.0×3.0×1.0mm)を使用しています。6000系のヒューズ箱は大2個、小1個が搭載されますので、写真のように3つの台を準備しました。

●手すりの取り付け(2001/2/10)

先に準備しておいた手すりを車体に取り付けました。厚紙を手すり幅にカットし、手すりの高さ治具にしました。あまり目立つパーツではありませんが、手すりがあると妻面が引き立つ感じがします。

●床板アングルの取り付け(2001/2/11)

床板アングルを取り付けました。カツミの位置決め治具を使用していますので簡単に正確に位置が決まります。全車8両のアングルを一気にハンダ付けしました。

●屋上配管工作[1](2001/2/11,12)

いよいよ屋上配管工作に突入しました。今回は少し凝ってみようと思い、大部分に細密パイプを使用し、2段表現にしています。すなわち0.6mmパイプには0.4mm真鍮線を、0.5mmパイプには0.3mm真鍮線、0.4mmパイプには0.2mm真鍮線を使用し、ヒューズ箱、避雷器、パンタグラフの接続を行っています。写真は前部パンタ廻りで、一番上の配管は後部ヒューズ箱からクーラーキセ内を通っている0.6mmパイプです。前述の通り0.4mm真鍮線が通っており、パンタ下の配管止めを出た所から0.4mm真鍮線になっています。また一番下のパイプはパンタと避雷器を接続しています。0.4mmパイプ内に0.2mm真鍮線が通っています。

この写真は後部パンタ廻りです。まだ工作途中ですが、この写真で一番上の配管が前パンタに伸びる0.6mmパイプです。下2本が右端(後ろから見て)ヒューズ箱に入る0.5mmパイプ(中に0.3mm真鍮線入)です。

後ろから見た写真です。まだハンダ付けしておらず仮止め状態です。妻面の配管は左(貫通ドア側)から0.4mm,0.5mm,0.5mmパイプを使用しています。

必要な配管を仮設置しました。パンタ、避雷器を載せ感じを見ます。まだ配管終端の工作を終えていないので、中途半端ですが完成時の実感が少し湧きました。2枚目の写真はパイプの端です。パイプ内に細い真鍮線が入っているのが分かると思います。3枚目はパンタを除き、パンタ下配管の様子です。

●屋上配管工作[2](2001/2/15)

配管工作の続きです。といっても仮止め状態の配管をハンダ付けしただけです。若干、配管位置が異なっているのですが、もう1両のパンタ搭載車では修正を試みるつもりです。

●クーラー工作(2001/2/17)

配管の細かい工作で疲れたので、クーラー工作で一休みします。メッシュは3つ目の写真で分かるとおりハセガワのモデリングメッシュ(正方形/菱形)を使用しています。メッシュを取り付けてから、手すり、下部ボルトを取り付けることにしました。クーラーの端部はホワイトメタルの別部品ですが、キセとの継ぎ目が気になるので消すつもりです。

●クーラー工作[2](2001/3/10,11)

しばらく工作の手が止まっていましたが、クーラー工作[1]に続き、残り7連分のクーラー工作を実施しました。側面の菱形メッシュを全てのクーラーキセに接着しました。また端部品ホワイトメタルの接合面にパテを盛り、乾燥後に耐水ペーパーでやすります。天井面の正方形メッシュと手すりの工程はクーラー工作[3]にて。

●車側灯の取り付け(2001/3/11)

あらかじめ車体に開けておいた車側灯取り付け用の穴にモデル8の部品を取り付けました。この工程もクーラー工作と同じく、ハンダを使わずエポキシを使用しています。1両に4個、全車で32個取り付けています。

●連結器緩衝装置の取り付け(2001/3/11)

3000系工作でも使用したのですが、6000系でも連結カプラー部にカバーを取り付けました。完成車両を側面から眺めた時にACEカプラーが丸見えになるので、見栄えの為に連結器緩衝装置を模したカバーを使用しました。決して安くないパーツにも関わらず、8両で28個も使用します。

●クーラー工作[3] (2001/3/18)

非常に細かい作業で進み具合が悪いのですが、サンプルとしてようやく1基のクーラーキセが完成しました。写真では見にくいのですが、クーラー上部には0.25mm真鍮線の手すりを、クーラー下部は0.5mm真鍮線でボルトを表現しました。手すりは8連のクーラー分をあらかじめ治具で作りましたが、1基あたり18個、8連で144個を作る作業は3日かけてようやくできました。塗装前なので実感は損なわれていますが、グレー塗装を施すといい感じに仕上がるのではないでしょうか。この後、ゆっくり時間をかけて残りの7基を製作します。

●クーラー工作[4] (2001/5/15)

やっと全車分のクーラーが完成しました。とても見にくいですが、左の写真は0.5mm真鍮線をクーラー本体に通しているところです。またクーラー天井の正方形のメッシュも分かると思います。一方、右の写真は全8基のクーラーです。一番手前の1基がサンプルで完成させたもの。奥の7基が新規製作分です。

●屋上配管工作[3](2001/5/19,20)

中間車パンタ付き車両の屋上配管工作が終了しました。今回も細密パイプを用いた配管にしています。

●先頭車屋根水切り(2001/5/20)

先頭車屋根にある水切りを0.5×t0.2mmの洋白帯板を使用して接着しました。今回の工作では写真の水切り以外の雨樋は再現しておらず、塗装にて再現するつもりです。

●車番・車紋の取り付け(2001/6/9)

車番と車紋をエポキシ接着剤で貼付ました。写真は6163と6513です。慎重な作業で疲れますが、車体がグッと引き締まります。

●工作最終[1](2001/6/16,19)

いよいよ塗装前の工作も最終段階に入りました。まずパンタ台、その後ランボードを取り付けました。今回パンタ台は天賞堂のパンタ台を使用しました。実車と形状が異なりますが、屋根から浮いた感じを出すのに丁度いい高さだと思います。続いて列車無線アンテナを取り付けました。

●工作最終[2](2001/6/23)

車番取り付け時に行っていなかった先頭車前面の車番とKマークを取り付けています。車番は6013と6063。Kマークはキットに添付されているものを使用しています。

ようやく塗装前の工作が終了しました。と言ってもまだ床下機器の取り付け等一部残っています。この写真は2両の前面ですが、2枚目は車内の前照灯・方向幕台と尾灯を仮設置したものです。なかなかいい感じになってきました。梅雨明けを待って塗装するつもりですが、それまでに床下関連の工作を完了させます。

工作編は終了しました。いよいよ電車が活き活きしてくる塗装編に入ります。

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