コダマ模型  1900系テレビカー・1900系非冷房3扉4連・1900系冷改3扉5


昭和38年、京阪電鉄は念願の淀屋橋駅延伸を実現しました。時を同じくして京阪特急にニューフェイスが登場したのが1900系特急車です。1810系の格上げ車と新製の1900系がありますが、新製1900系はスーパーカー2000系のデザインを取り入れた洗練されたスタイルになっています。特に前面バンパーは異色で1900系の大きな特徴になっています。また2両だけ両運車が製造されました(1925,1926)。京阪本線では最後になった両運車ですが、結局、片運化されてしまい長くは続きませんでした。 しかし特徴のあるバンパー付き1900系の顔が1両に2つもあるのが、愛嬌でもあり気に入っています。昭和46年京阪特急車両に3000系が登場すると、それまでの特急車1900系は順次普通車に格下げされました。特急カラーから一般カラーに塗装され、2扉も3扉へと改造されました。しかしその後も1500V昇圧、冷房化などを施されながら、現在も現役で活躍しています。

コダマ模型から発売された1900系のキットです。4種類が発売されました。ラベルは左から特急テレビカー(4連)、両運転台、非冷房3扉、冷改のキットです(床下機器別売)。テレビカーの先頭車1両だけ運良く手に入り、さらに両運のキットと合わせて編成を組むつもりです。特急の編成は1926(Mc/両運)+1921(Mc/片運)+1923(Mc/片運)-1956(T/テレビカー)-1922(Mc/片運)にします。

発売:1996年/2001年1月

1900系製作記

1900系基本工作編 特急塗装編 特急仕上げ編 3扉冷改車工作編 3扉冷改車塗装編 3扉冷改車仕上げ編 3扉非冷房車工作編 3扉非冷房車塗装編 3扉非冷房車仕上げ編 3扉特急色工作編 

基本工作編

実車で引退の始まった1900系を特急時代から最終の冷房改造車まで一斉に工作をすることにしました。途中までは工程が同じですので、製作記を統合して進行します。

●保護棒用穴開け作業の開始(2002/3/3〜)

まずデビュー時代から冷房改造される前まで見られた側窓保護棒取り付け用割ピンの穴開けから開始しました。平行を出すために慎重に位置出しをしています。結構手のかかる作業で、平日では1日に1両ずつ程度しか進めません。

●保護棒用穴開けと窓バリ取り作業終了(〜2002/4/7)

ようやく全ての(冷房車除く)穴開けとプレス抜きされた窓のバリ取りが終了しました。特にバリ取りは面倒な作業ですが、窓サッシ取り付け時のことを考えるとやった方が良いと思いますので。

●ヘッドライト部品の加工(2002/4/7)

1900系のヘッドライトは純正部品ではなくエコーの部品に交換することにしました。純正部品では直径が小さい感じですので実感が出ません(U20Lさんに倣いました)。またエコーの部品の中には目玉部品を入れるべく穴をドリルで掘り下げました。これを前面に合わせるといい感じです。実車写真と比較してみて下さい。

今回1900系の前面は全部で9個あります。冷房改造車2個と非冷房時代7個です。全てのヘッドライトをエコーのものに交換します。また冷房改造車ではHゴムを削りとり窓サッシを貼り付けます。

●前面加工続き(2002/4/28)

ワイパー取付用の穴と方向板掛け用(0.6mm)の穴を開けました。また前面貫通扉には手すり用の穴を開けています。今回全ての先頭車のヘッドライトをエコーのものに交換しますが、9両の先頭車用18個のヘッドライトに電球用の1.6mm穴を開けました。

●客用扉の取付け(2002/5/4,/5,/6)

ようやくハンダ工作開始です。事前加工を行った部品をよく洗ってから開始です。クリップで扉を仮押さえし、裏からハンダづけします。74枚の客用扉の取付けは結構ボリュームのあるものになりました。

●前面・妻面取付け(2002/5/6)

客用扉に引き続き、全車両の前面・妻面の取付けを行いました。前面の接合部は金工ヤスリでラフに整えています。追って継ぎ目消し作業を行います。

●前面貫通扉とヘッドライトの取付(2002/5/7,8,9)

前面の貫通扉を取り付けました。続いて加工済みのヘッドライト部品を細い丸棒ヤスリで真っ直ぐ前を向くように保持しながら、ハンダづけしました。

●床板加工(2002/5/11)

動力車の床板をMP仕様にすべく加工を行いました。モーターは6000系に続きLN-14を使用しますので寸法をケガキました。カットソーの糸ノコ刃を入れるためにくり抜く部分の四隅に穴を開けています。それ以外の穴はモーターホルダーのネジ穴です。

●アングルの取付(2002/5/11)

先頭車両のアングルを取り付けました。カツミの治具を使用して3mmの深さで取り付けました。

●継ぎ目消し研磨(2002/5/12〜)

アングルを取り付けて車体ががっしりしたところで継ぎ目消し作業を行いました。金工ヤスリ→耐水紙ヤスリ#400→#600→#800→#1500と丁寧に消していきます。結構時間のかかる作業で全ての先頭車の作業が終わるのはしばらくかかりそうです。

●研磨作業終了(2002/9/1)

ようやく継ぎ目消し作業が終了しました。諸事情でスローペースが続いていましたが8月中旬からペースを上げてこの作業を終了しました。冷改車両の先頭車、非冷房先頭車、中間車の写真です。

●位置出し作業(2002/9/1)

作業のペースを上げるべく、トースカンを使用した位置出しを行います。全車両の雨樋いとドアレール位置、先頭車両の乗務員扉手すり位置を一気にケガキます。

●乗務員扉手すり穴開け(2002/9/7,14)

全先頭車両の乗務員扉の手すり用の穴を開けます。1つの扉に8個0.5mmドリルで穴を開けます。また0.4mmドリルで取っ手用の穴も開けておきます。

●貫通ドア取付け(2002/9/15)

全車両の貫通ドアを取り付けました。1900系は妻面に窓がありますので、KSモデルの貫通ドア幅では窓まではみ出してしまいます。このため金工用はさみで貫通ドア幅を縮めてからハンダ付けしています。

●雨ドイ取付け(2002/9/15〜9/18)

洋白帯板(0.8×0.4)を使用して雨ドイを取り付けました。写真は中間車です。ト−スカンでつけた位置がありますので非常に楽です。ずれないように何カ所かセロテープで仮止めし、ハンダで軽く何カ所か止め、その後、素早く全体に渡りハンダを流していきます。素早く流さないと、帯板が熱で伸びてしまうので注意が必要です。全体に流し終わったあとはキサゲ処理を施します。中間車両は冷改車3両、非冷房3両(特急1両、各停2両)なのであっという間に仕上げられました。

●雨ドイ取付(先頭車)(2002/9/20〜9/23)

中間車に続き、先頭車の雨ドイを取り付けました。写真は冷改車です。中間車と同じ作業ですが、前面部分だけは慎重にハンダ付けしています。

●前照灯、尾灯パイプ取付(先頭車)(2002/9/23)

前述の通り、今回の工作で前照灯はエコーの部品に交換しているため、キット付属の前照灯パイプは余っています。これを利用し、前照灯と尾灯の電球ガイドとしました。

●方向板掛け取付(2002/9/23)

続いてエコーの方向板掛けを取り付けました。厚紙を挟み、マッハ模型の耐熱フィンガーを使用して部品を保持し、裏からハンダ付けします。短時間なら熱さがあまり伝わらないうちに取り付けられます。一気に全ての先頭車の方向板掛けをハンダ付けしました。

●バンパー取付(2002/9/28)

いよいよ1900系最大の特徴であるバンパーを取り付けました。左右バンパーの位置に注意しながらハンダ付けしました。

●屋上工作(2002/9/28)

特急車両の屋上工作を先行して行います。屋上機器が非常に少ないので楽ですが、それだけに目立つことになるので丁寧に工作しています。ベンチレーター、避雷器、ヒューズボックス、パンタを仮置きしてバランスを見ます。

●配管工作(2002/10/5)

屋上配管工作です。今回パンタ鍵はずしは省略してしまいました。U20Lさんが調査された配管に準じています。それでも私が配管図を読み違えた部分がありごまかしています。

●おまけ工作(2002/10/5)

配管工作が完了したので、裏側の工作を行いました。これもU20Lさんに倣い、特急先頭車のみ床板の先頭部分を切り取り車体側に取り付けました。ジャンパ栓類を安定して取り付けるためです。続いて室内灯支えを取り付けました。

●手すり工作(2002/10/13)

作業が前後していますが、先に手すりの製作を行います。今回の工作で前面は9面、乗務員扉が18個、1扉で4個の手すりがありますので、全部で72個の手すりを製作します。2枚目の写真は手すり作成用の治具です。2種類の治具を用い、最初に手すり幅用治具、次に 「 の形にする治具です。このような単純作業を連続して行うのは忍耐が結構必要なものです。72個+予備数個が出来上がったので実際に車体に取り付けてみました。

●窓保護棒取付(2002/10/14,19,20)

非冷房車時代の特徴である側面窓保護棒を取り付けました。洋白丸線0.3mmを使用しています。当初は割ピンを使用する予定で車体に穴を開けましたが、経費的な面と割ピンが逆に目立つかもという懸念から、洋白丸線を直接車体に半田付けすることにしました。しかし穴を開けたことが功を奏しました。洋白丸線を車体に仮止めし、車体中側から穴にフラックスをつけ、中側から穴を軽く半田付けすると穴を通して洋白丸線が半田付けされます。その後半田が少し多く表面に出たところはキサゲ処理します。保護棒を取り付けるのは全部で9両ですので3日間に分けて作業をしました。

●手すり取り付け(2002/10/26)

先日作成した手すりを取り付けます。エポキシ系接着剤を使用しています。1900系の手すりは車体と同色ですので塗装前に取り付けています。

●ディテールアップ工作(2002/10/26)

標識灯、靴ずり等を取り付けました。靴ずりはこれまでピノチオ製でしたが、若干高額ですので今回からKSモデルのものを使用しています。こちらもエポキシ系接着剤です。標識灯は固着後に0.5mmのドリルで穴を開け、点灯可能準備をしています。

●屋上機器取り付け(2002/10/26)

避雷器、ヒューズ箱だけですが、屋上機器を取り付けました。ヒューズ箱は車体内側から軽くハンダごてを当てて溶かして固定しています。避雷器も同様にしようと考えましたが、足が大きく長くこてを当てていると全体に熱が回って溶けてしまいそうなのでエポキシ系接着剤で取り付けています。

●ジャンパ栓工作(京都向き) (2002/10/27)

いよいよ特急車の大詰め、先頭車ジャンパ栓の工作です。京都向車両と大阪向車両で形態が異なっています。まず京都向き先頭車から工作開始です。京都向き車両の先頭車下部は閉じた2連ジャンパ栓と1連ジャンパ栓が左右に取り付けられています。また向かって左にはエアホース2本が取り付けられています。ジャンパ栓はエコー、エアホースはフクシマのものを使用しています。全てエポキシ系接着剤で取り付けました。今回の編成で京都向き先頭車は両運を含めて3両あります。エアホースは予めカーブさせ、さらに車体固着後に折らないように慎重に指で車体裾に向けて曲げていきます。

●ジャンパ栓工作(大阪向き) (2002/10/28〜11/1)

続いて大阪向き先頭車です。U20Lさんが大変凝られた過程の一つです。うねった形のエアホースが左右に計3本取り付けられています。まず床下用の開いた2連ジャンパ栓と1連ジャンパ栓に0.4mm→0.6mmの順でホース用の穴を開けます。そしてこれを大阪向き先頭車床下の左右に取り付けます。続いて車体用のジャンパ栓(1連)3箇所にも同様に穴を開け、車体に取り付けます。取り付け前にはジャンパ栓とエアホース用に穴を開けています。京都向き先頭車と同じくエアホースも取り付けました。最後に0.5mm真鍮線でうねりを付けたエアホースをジャンパ栓に取り付けますが、やはり結構難しい・・・。ほとんどうねりがつけられませんでした。

●車番と社紋取り付け(2002/11/2)

1900系特急車工作の最後、車番と社紋の取り付けです。今回マッハ模型の切り抜き文字を使用しました。ただこの切り抜き文字の「1」は付けにくい・・・一部の「1」はモデル8のものを使用しました。じっくり見れば違いが分かるかもしれませんが、遠目では問題ありません。

●先頭車屋上手すりの取り付け(2002/11/2)

手すりの工作は乗務員扉以外省略しようかと思ったのですが、先頭車の手すりは結構目立つので取り付けることにしました。治具を作って屋根に穴を開け、手すりを10本作って取り付けました。結果的に良かったかも知れません。さていよいよ塗装です。

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